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Googleマップの口コミ対応をすれば低評価レビューが付きにくくなる?
MEO 公開日2026.05.12 最終更新日2026.05.12 読む

弊社では、産婦人科クリニックの
Googleビジネスプロフィールのサポートを行っております。
クリニックの先生からよくいただく質問に
Googleビジネスプロフィールで
低評価レビューに本当に悩んでいるが、
レビュー返信をちゃんとやっていると、
評価が改善するというのは本当ですか?
があります。
結論から言うと、
レビュー返信がマメに行われていると
ユーザーは心理的に低評価レビューを付けにくくなる
と言えます。
今日は、研究で示されていることと、
なぜそうなるのかの理由を、私なりに整理してみます。
返信すると評価が上がる? 研究データで見てみると
TripAdvisorのデータを使った研究で、こんな結果が出ています。
USC・ボストン大学の研究チームが、
TripAdvisor上の数万件のホテルレビューを分析した研究です。
返信を始めたホテルでは、
レビュー数が12%増え、評価が平均0.12星(5点満点)上がった
という結果が出ています。
面白いのは上がった理由で、「満足度が高まったから」ではなく、
「不満を持つ人が根拠のない低評価を書きにくくなったから」と
分析されています。
📎 論文(Marketing Science): https://doi.org/10.1287/mksc.2017.1043
📎 論文ダウンロード※英語(無料): https://ssrn.com/abstract=2521190
⚠️ ホテル業界のデータなので、クリニックにそのまま当てはまるわけではありません。
ただ「返信があると書き手の意識が変わる」という構造は、医療機関にも共通する部分があると思っています。
返信があることで、書く側の意識が変わるんですね。
では、なぜ返信すると変わるのか。3つの理由
「書き手の意識が変わる」と言っても、なぜそうなるのか。
研究で示されている理由が3つあります。
① ホーソン効果〜見られていると思うと、人は少し丁寧になる
返信がついているページって、
「ちゃんと見られている場所」に見えますよね。
書く側も、なんとなく強い言葉を選びにくくなったり、
極端な評価をつけづらくなったりする。
これ、心理学の研究で長く知られている現象です。
■ ホーソン効果
1920〜30年代にシカゴの工場で行われた研究が起源で、
「観察されていると人は行動を変える」という現象のこと。
医学・心理学分野でも広く引用されています。
観察されているという意識が、行動を規範に近づける方向に働く——
これが口コミにも当てはまる、と私は考えています。
📎 システマティックレビュー(PMC): https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3969247/
② 社会的規範の形成〜場の雰囲気は伝染する
口コミって、他の人の投稿を見てから書くことも多いですよね。
返信が丁寧だと、全体がなんとなく落ち着いた雰囲気になる。
そうすると次に書く人も、自然と穏やかな言葉を選ぶ。
口コミ欄に”文化”が育っていく感じ、とでも言えばいいでしょうか。
■ 社会的規範の形成
Cialdini, Reno & Kallgren(1990)が整理した
「記述的規範(Descriptive Norms)」の概念。
「周りの人がどう行動しているか」が、
自分の行動の基準になるというものです。
SNSや口コミ欄のような公開空間でも
同様の現象が確認されていて、
過去の投稿トーンが次の投稿者の書き方に
影響を与えることが指摘されています。
📎 社会的規範に関するレビュー論文(PMC): https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6970459/
③ セカンドオーディエンス効果〜「誰かに読まれる」と意識すると表現が変わる
口コミは表向きクリニックへの評価ですが、
書き手の多くは「次に来る人に伝えたい」という意識を持っています。
そこに返信があると、
「ああ、ここは公開の場なんだ」という意識が強まる。
すると表現が穏やかになったり、
内容のバランスを取ろうとする変化が起きやすくなります。
■ セカンドオーディエンス効果
SNSでの投稿行動を分析した研究。
人はオンラインで書くとき、
「誰が読むか」を意識的・無意識的に想定し、
その想定に合わせて表現を調整する
ことが示されています。
返信という行為は
「読まれている」ことを明示するシグナルになるため、
書き手のオーディエンス意識を変える効果
があると考えられます。
📎 論文(New Media & Society): https://doi.org/10.1177/1461444810365313
産婦人科は特に影響が出やすいと思う理由
産婦人科や医療施設は、不安や緊張を抱えて来られる方が多くて、
プライベートな内容も多くて、期待値もすごく高いと思います。
そういう場所は、感情がそのまま口コミに出やすいです。
だからこそ、返信で場の雰囲気を整えることの効果は、
他の診療科より大きいんじゃないかなと感じています。
返信する・しないで、何が変わるか
| 返信しない場合 | 返信する場合 |
|---|---|
| 口コミがそのまま積み重なっていく | 口コミ全体のトーンが落ち着いてくる |
| クリニック側の気持ちが伝わらない | 誠実さや姿勢が伝わる |
| 投稿のばらつきが大きくなりがち | 極端な評価が出にくくなる |
| 低評価が増えやすい状態になることも | はじめて来る方の安心感につながる |
ただ、ひとつ大事なことは、
返信したからといって「低評価がゼロになる」わけではないということです。
あくまでも「口コミの出方や質が少し変わる」というイメージで
捉えていただけると、ちょうどいいと思います。
返信の「中身」も、すごく大事です
実は、返信の仕方によっては逆効果になることもあります。
こういった返信には注意が必要です。
・どの口コミにも同じ定型文を貼り付けているだけのもの
・「そういった事実はございません」と否定することに終始するもの
・温度感がなく、機械的に感じられる文章
読んだ人が「ちゃんと向き合ってくれてる」
と感じられるかどうか、がポイントだと思います。
なお、文章作成に
Chat GPTやCloude、Geminiなどの生成AIを使うことは
とても有効だと思います。
なぜなら、低評価レビューを受けると感情的になってしまい、
ついつい強い表現で返信してしまうことがあるからです。
基本的には、誹謗中傷やおかしなレビューを除き、
返信は患者様に寄り添う姿勢で行うことが大事です。
生成AIを利用することで、ワンクッション置くことになり、
少し冷静にもなれます。
生成AIを使う場合は、
・その低評価レビューの内容(コピペやスクリーンショット)
・客観的事実(受付のスタッフ対応が悪いなどのレビューに対して事実確認)
・そのレビュアー様に対して伝えたいこと
を生成AIに伝えてると、まとめてくれます。
ただ気をつけたいのは、
生成AIは基本的に炎上しない文章を生成する、ということです。
こちらが全面的に悪いのであればそれで良いのですが、
場合のよってはそうではない場合があります。
その場合、全面泣き寝入りする必要もないと思います。
事実でない場合は、
そのレビュワーさんに「不快な思いをさせてしまったこと」については謝罪しつつ
「事実を確認したいので、連絡をしてほしい」と結ぶと良いと思います。
まとめ
口コミへの返信は、「こなすべき作業」というより、
口コミ欄全体の空気をつくるものだと私は考えています。
Proserpio & Zervas(2017)の研究では
評価改善の効果が確認されていて、
その背景には
「監視効果」
「社会的規範の形成」
「セカンドオーディエンス意識」という
3つのメカニズムが働いていると考えられます。
特に産婦人科のような感情が出やすい診療科では、
その差がより大きいかもしれません。
ちなみにこの仮説、実際のレビューを調べていつか検証してみたいと思っています。
結果がまとまったら、またここで書きたいと思います。
なお、COUNTOR inc.では、産婦人科をはじめとするクリニックの
Googleビジネスプロフィールへの口コミ返信を代行しています。
医療現場って、本当に忙しいとお聞きします。
診察・処置・患者さんへの対応……それだけで一日が終わってしまう中で、
口コミの返信まで手が回らないのは、
決して特殊なことじゃないと思っています。
そして、低評価のレビューを目にして、
心が折れてしまう先生やスタッフさんがいることも、
支援を通じて何度も見てきました。
そういう現場の、少しでも助けになれたら幸いです。
ご興味があれば、問い合わせフォームの
MEO(Googleマップ対策)を選択のうえご相談ください。